研究&勉強                 

ここ数年で洗剤やドライ溶剤の進歩。それに生地の素材も次々に新しい物が出ています。
それらの情報をすばやくつかみ、数多い情報もただ鵜呑みにするのではなく見極める必要があります。
お客様が知っていると便利で役立つという情報もありますから、是非ご覧になってください。

ドライ液管理
 ドライクリーニングは水で洗うのと違い、洗い、すすぎの度に排水しません。その為フィルターを使って、常に循環させて洗います。ですからフィルター交換、pHチェック等管理をしないと液は汚れます。当然そのような液で洗うと白いものが黄色くなったりするわけです。
 フィルター交換の時期はその機械(洗濯機)の大きさにもよりますが当店では期間や洗った回数も考慮しますが液の色や酸性度もチェックし、フィルター圧力が高くなったりしたらその度にフィルターや浄化剤(カーボン等)の交換をまめに繰り返します。
オゾン
 近頃ではオゾン洗いという看板を店頭でよく目にします。特に消臭、殺菌効果があり、大型店や布団等の大物を洗う工場やお店に用いられていますが、まだまだ設備が大変でコストを考えると躊躇するお店が多いようです。
 当店では上記のドライ液管理と衣類の防菌、脱臭のために2000年から思い切ってオゾン発生装置を導入しドライ液にオゾンガスを注入しています。ドライクリーニング臭はその乾燥が弱いためにも起こりますが、汗をかいた衣類など雑菌等によっても起こります。
当店では通常のドライクリーニングでオゾン処理を行います。是非お試しになってください。
洗濯表示
 お客様の中には『何でこれが家で洗えないの?』って思った方いらっしゃいませんか。
我々洗濯屋もそうなんです。洗濯表示を不思議に思うことが多いのです。
スキーウェアがドライ表示なんておかしいでしょう。(雨が降ったらどうするんだ?)
もっとひどいのになると、塩化ビニルの衣類がドライマークを付けているなんてのもあります。
(塩化ビニルはドライクリーニングは絶対ダメなんです。)
 
 以前ユニ○ロさんのブルゾンが素材的には全く水洗い問題ないのに家庭で洗ったら脱水の時偏って
洗濯機が壊れたという理由でドライ表示になりました。
繊維、衣料品のメーカーにも色々諸事情あるようです。

 今、世間では新しく色々な素材の衣類が出ています。
いわゆる“新素材”というものです。今多いのはポリウレタン、
少し前ならテンセル、ストレッチ素材、塩化ビニル素材・・・数えたらキリがありません。
 
 
当店では洗濯表示に惑わされず、常に『どうやったらきれいになるかなあ?』ということを考え、クリーニングしていきたいと思います。

WETクリーニング
 店頭でよく“あせ抜きクリーニング”ののぼりを目にします。通常ウェット(水洗い)でどこのお店でも洗っていると思いますが解釈はさまざまで中にはお店によってドライクリーニグであせ抜きもあるようです。当店はなるべくウェットという言葉を使うようにしています。
 
 近頃は洗剤も進歩していてウールやシルクを水で洗っても布地を傷めたりせず、仕上げも楽になった洗剤が多く出回っています。洗浄力は少し弱めに作っているようです。
 
 私は洗浄力に必要なものはまず温度、次に洗剤、時間と思います。洗浄力を上げれば生地は痛み易く反比例しますから研究と経験が必要です。

 クリーニング店に資材を卸している業者さん等はすすぎが少なくてすむ洗剤を『コストが少なくなる。』と言って勧めます。確かに水洗いにおいて一番かかるコストは洗剤より水です。
 
 試してみますとなるほど泡切れも良いし、洗浄力も高い。値段が高いだけのことはあります。だけど使い続けるとわかります2〜3回だとわかりませんが何度も洗っていると、すこ〜しづつ黄変します。本当に微妙ですがすすぎが少ない為に衣類に残留した洗剤分が酸化するのでしょう。白い木綿のYシャツだと違いがわかります。
これはご家庭で洗う場合もそうですがすすぎは本当に大事です。